お正月


今年も新しい年が来た。いつも新年は新潟の家だ。例年、雪かもしくは曇や雨で、お正月が晴れるということは、めったにない。
しかし、今年は、朝おきたら、東の空が朝焼けで、まもなく雲から朝日が登ろうとするところだった。
あまりのめずらしさに、母を呼び、玄関から道路に出ると、ちょうど朝日が雲から顔を出した。新しい光に、おもわず手を合わせてしまう。
きれいだった。
私の家の初代のお墓は、元和の元号である。江戸の始めだ。それから400年位、ずっとこの地に住んでいる。どんな人たちが、どのようなお正月を迎えていたのだろう。
やはりお餅だろうか。雪は多かったのだろうか。どんな遊びをしていたのだろう。
それ以前は、別の人が住んでいたのだろうか。平安時代もこの集落に人は住んでいたというから、いろんな人が、沢山のお正月を迎えてきたのだろう。ちょっと待てよ、保育所の裏山からはヤジリが出てきたから、もっと前からかな。なんだかすごいな。
学生の頃は、歴史の授業は、あまり好きじゃなかった。ただ、出来事が羅列され、それを暗記しなければいけないだけのような気がしていた。
しかし、土地の昔話や郷土史などを読むと、人の物語として、空想が広がる。
私の先祖は釣りが好きで、ここに通っているうちに、近所の娘さんと仲良くなり、結婚してここに住むようになったという。それも歴史、人の物語だ。
知らない間に生まれていたけれど、私は、一人でぽつんとここにいるのではない。「ものがたり」の中の一人なんだ。そんな気持ちになれる
そして、今年もまたお正月が来た。
見慣れた庭や畑の、草、木、虫、鳥、皆に「おめでとう」。

2016-01-03 | Posted in つれづれ, ブログNo Comments » 

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