西湖


「西湖」というお菓子をいただいた。京都の和久傅のものだ。
蓮根菓子といって、蓮根の澱粉と和三盆で作るお菓子で、笹の葉で綺麗に包まれている。
冷やして食べると美味しい。
この食感が、なんとも面白い。
笹の葉をめくると、びよーんと笹の葉にへばり付くような感じがして、きれいにはがれ、笹の葉の真ん中に、てろーんといった感じで、黒い塊がある。
ぱくっと食べると、てろーんと剥がれて口に入り、柔らかく口の中でとろける。その柔らかさかげんが、また美味しいのだが、なんとも、脱力感たっぷりのお菓子だ。
このくらい、何も無い時は、脱力したいものだ。
私は、小学校の時から、肩こりだった。5年生の時に、授業中にあまりに肩が痛くなり、吐き気を覚える位だったことを、覚えている。その時に、着ていた毛糸のベストの色や編み方まで覚えているのだから、鮮明な記憶だ。
小学校に通い始めたばかりの頃は、学校から帰ると「胃が痛い」と言って、太田胃散を飲んでは寝ていたことも、よく覚えている。何に緊張していたのだろう。
大人になってからは、それほどひどい肩こりに悩まされたことはないが、もしかしたら肩こりの状態に慣れ、麻痺しただけなのかもしれない。
「西湖」を食べて、「そうだよね、これくらいてろーんとしたいよね」、と思ってしまった。ライオンだって、狩りをする以外は、でろーんとしているではないか。私なぞは、自転車をこいでいる時も、不必要に肩に力が入っていることがある。
無意味に身体に力が入っている時は、「西湖」を思い出そう。
あの、てろーんとした感じ。
あはは、美味しかった。

2015-08-13 | Posted in つれづれ, ブログNo Comments » 

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