工場育ちの野菜

キウイの花が、花ざかり。もう小さな実もできている。

工場でできた野菜というのを初めて食べた。それは、一掴みほどのレタスが、袋に入っているものだった。しゃきしゃきとしたさらっとした味の野菜だった。
謳い文句には、クリーンルームで育っているので、ついている細菌が少なく洗わずにそのまま食べられるというものと、低カリウムということが書いてあった。
工場内の棚に整然と並べられ、人工光の元で育つらしい。
野菜は普通、畑で育つ。土に種が蒔かれ、雨と太陽の光で、芽を出して成長する。葉っぱを食べる虫もいれば、受粉を手伝ってくれる虫もいる。土の中や表面に無数にいる微生物と共生しながら、生きている。
生まれて、生きて行くということは、様々な生き物の中で、生きていくということのような気がする。
工場の野菜はどうだろう。土と触れることもなく、虫とも出会わず、太陽を見たこともない一生。目にする生き物は、隣の同士の同じレタスと、人間だけ。
なんだか、ちょっと淋しい。
太陽を見たかったかな。虫とお話したかったかな。
それとも、見たこともないんだから、そんなことも考えなかったんだろうか。
わたしたちの毎日は、どうだろう。

2016-06-02 | Posted in ブログ, 自然Comments Closed 

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