一番始めの言葉

人間が一番始めに発した言葉は、なんだったろうと思う。
私が思うに、何か美しいものを見つけた時、他の人にも教えたい、そして一緒に美しいと思いたいから発した声が、言葉になったのじゃないのかと思う。
太古の森の奥で咲く花、森を抜けた先に広がる海に沈む夕日。
美しいものを見つけた!教えなくちゃ。
急いで帰って仲間を誘う。「あっちにきれいなものがあるよ」。その誘うための声が、言葉になったのではないだろうか。
でも、食べ物を持っている仲間に、「よこせ」という声を発したのが、最初の言葉だったらどうだろう。
「あっちにきれいなものがあるよ」と呼びかける声は、与える、ということだ。
「よこせ」というのは、奪うということだ。
一緒に食べたものと、奪って食べたものと、どっちが美味しいだろうか。

2016-03-06 | Posted in つれづれ, ブログNo Comments » 

関連記事