茄子と南瓜と夕顔と

新潟の夏には、欠かせない、夏バテ対策郷土料理といえば、「くじら汁」。塩蔵した鯨の皮付き脂身と茄子を似た味噌汁だ。暑~い日に、油の浮いたあつあつのくじら汁を食べると、夏も乗り切れそう!って感じになる。こう書いている今も、まさに食べたくなる陽気。
先日、お稽古の時に、このくじら汁が話題になった。私とOさんは、くじら汁には、茄子だと思っていたが、Iさんのお宅では、夕顔なのだそうだ。
「夕顔って、普段食べる物ですか?」と私。
「もちろん。今の季節、お汁の実は、毎日夕顔ですよ」とのこと。
いやー、同じ新潟県でも、ところによって食材も変わるものだ。冬瓜に似た感じで、大きな実がなるのだそうだ。後でネットで調べたら、私が夕顔だと思っていたものは、夜顔だった。夕顔は、つる性で、大きな実がなっていた。
そうか、これで、前からの疑問が解けた。
「茄子と南瓜」という端唄がある。
「脊戸のなあ 段畑で 茄子と南瓜の 喧嘩がござる」という歌詞で始まる。
「南瓜もとより いたずらもので 長い手を出し 茄子の木に からみつく
そこで茄子めが 黒くなって 腹を立て そこへ 夕顔 仲裁に入り」
と続くのだ。私が夕顔だと思っていたものは、夜顔で、観賞用の花として、庭に植えられていた。なので、なぜ夕顔がわざわざ畑へ仲裁に行ったのかと、思っていたのだ。
夕顔が夏の野菜なんだから、当然、畑にあるわけだよね。
そして、唄の続きは、
「これさ 待て待て 待て待て 南瓜 色が黒いとて 背が低いとて
茄子の木は 地主だよ オラやそなたは 店借り身分
よその畑へ 入るのが 無理だやんで」
南瓜はつる性だから、どんどんとつるを伸ばして、畑に広がっていく。夕顔もつる性だから、きっと同じだ。広がって実をつけるところは、大家がいる土地で、店借りということか。面白いなあ。
昔は、トマトもピーマンも無いから、南瓜、茄子、夕顔が、夏野菜の王様だったのかな。どれも沢山実がなる野菜だ。今ではマイナーになった夕顔だが、昔はポピュラーな野菜だったに違いない。夕顔、美味しそうだ。今度、見つけたら食べてみよう。
Iさんは、野菜作りがとても上手だ。そしていろんなことを知っている。いつも勉強させていただき、ありがとうございます。

南瓜、梅の木の根元に進出中
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南瓜の海
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中には美味しそうな南瓜
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2015-08-01 | Posted in ブログ, 邦楽No Comments » 

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