はるなつあきふゆ

畑は夏野菜、真っ盛り。真っ赤に熟れたトマトは、本当に味が濃くて美味しい。
夏の日差しも一緒にまるごと食べている感じだ。

夏に比べ、冬は、寒くて、草木は枯れ、一番生命力に乏しい淋しい季節のような気がする。ところが、冬というのは、生命力を増やす、特別な季節だという。冬というのも、「ふゆ」、増やすという意味なのだ。
では、何を増やすのか。それは「タマ」という霊魂なのだそうだ。冬の寒い季節に、盛んに行われる冬のお祭りは、タマを増やすということらしい。タマが増えると、生命力がみなぎり、大地が元気になり、人間が幸せになるのだそうだ。面白いことに、アメリカ・インディアンにも、日本の冬のお祭りとそっくりな冬祭りがあるという。両方にあるということは、モンゴロイドがアメリカ大陸に渡る前からあるお祭りということなんだろう。なんだかすごい。
それにしても、「ふゆ」でタマを増やした後は、「はる」、つまり、タマがいっぱいになって、パンパンに膨らんでいる状態になり、そして、「あき」は、空く、つまり空っぽになるという意味だろうか。となれば、「なつ」はなんだろう。「なつ」「なつ」、これに似た言葉はないかと、考えていたが、なかなか思いつかない。そんな時、ふと、地元の方言で、「なす」という言葉を思い出した。
「なす」は返すという意味である。何かを借りて、まだ返していないと、「早くなしなさい」などと言うのだ。
「なつ」が「なす」から、きたのだとしたら、借りたものを返すということだ。夏は食べ物がたくさん採れる、つまり自然から人間へ贈られてくる、だから、そのお返しに、タマを贈り主に返すのだろうか。そうだったら、なんだかすごいな。

2015-08-07 | Posted in つれづれ, ブログNo Comments » 

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