雨のカエル

紫陽花は色んな種類があるが、オーソドックスな花が好きだ。

梅雨空の毎日だ。空気がなんとなく湿って重くなり、風が止むと、「そろそろ降ってくるかな?」という感じになる。そういう時は、庭のあちこちで、急にカエルが鳴き始め、「カエルは雨がわかっているんだなあ」と、いつも思ったものだ。
ところが最近、庭でカエルが鳴かない。あんなにたくさんいたのに、気がつけばいなくなったような気がする。なんでだろう。
先日、カエルは毎年同じ田んぼに卵を産むのだと聞いた。ウチの近所では、前の年までは田んぼだったところが、大豆畑になっているところが毎年増えている。カエルが減ったのは、そのせいなのだろうか。
春になって、冬眠から目が覚めて、「どっこらしょ」と現れたカエルの目の前に広がるのは、田んぼではなく、大豆畑だったら。そのカエルは、他のカエルの田んぼには行かず、産卵せずに終わるという。もし他の田んぼに産んだら、カエルが密集してしまい、皆が生存していけなくなることを、知っているのだと思う。
あたりまえのようにたくさんいて、うるさいくらいに鳴いていたカエルの声が聞こえなくなった梅雨。これは、「沈黙の春」ならぬ、「沈黙の梅雨」なのだろうか。

2016-07-04 | Posted in ブログ, 自然Comments Closed 

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