端唄を現代語で

柵に絡まってたくさんの朝顔の実。そういえば、とってもきれいな青色の朝顔が咲いていたっけ。来年も楽しみにしています。

河出書房新社が出している、古典の現代語訳シリーズがある。池澤夏樹個人編集で、現代語訳も、学者ではなく、作家など、色々な人が訳しているのが、おもしろい。
なんといっても現代語で書いてあるのが、とっても面白い。
ああ、こういうこと言っているんだよね。わかるわかるという感じである。
先日のお浚い会を見に来た方の感想で、「とても楽しかったけど、現代語の唄ってないんですか?」というのがあった。
確かに、端唄は、今は使っていない言葉も多い。それがまた、いい感じということもあるのだが、唄の内容が、変に高尚なものと、感じられてしまうこともあるかもしれない。
そこで、ちょっと考えてみた。
「梅にも春」という曲がある。

梅にも春の色添えて 若水汲みか車井戸
音もせわしき鳥追いの
朝日にしげき人影の もしやと思う恋の欲
遠音神楽や数取りの 待つ辻占や鼠鳴き
逢うてうれしき ささ機嫌
濃茶ができたりゃ あがりゃんせ
ささ持っといで

確かに古文の教科書のようで、よくわからない。
これをえいやっと現代語に意訳してみる。

さあ今日はお正月 梅の花も咲いて初春に色と香りを添えているわ
今年の最初のお水を カラカラッと井戸から汲んでいる音がする
お正月になるとやってくる芸人の鳥追いの
歌や三味線の音がにぎやかだわ
初日の出を見てから初詣に行く人たちが
朝日に照らされて何やかやと話しながら大勢往来を歩いている
あれ?あれは私の好きな人の声?ドキドキしちゃったわ
お宮の神楽の音が遠くから聞こえてくる
今年の運勢はどうかしら 辻占早く来ないかしら
あら ネズミの鳴声を真似したあの人の合図
待ってたのよ 逢えてうれしいわ
お正月ですもの さっそくいっぱいほろ酔い気分
濃い茶ができたら召し上がれ
さあさあ 持ってきて

まあ、つまり、お正月のデートの歌ってことかな。

今だったら、こうなるかな?

ホワイト・クリスマス

どこもかしこも クリスマス一色で
プレゼント選びか 二人連れ
街にあふれる クリスマスソング
イルミネーションに行き交う人々に
あの人かもと 振り返る
パーティの賑わいに サンタの姿
雪が舞ってきた 待ち合わせ
逢えてうれしい イブの夜
シャンパン開けたら 乾杯ね
メリー・クリスマス!

2016-12-13 | Posted in ブログ, 邦楽Comments Closed 

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