りんごの害虫


無農薬でりんごを作っている木村秋則さんの本で、とても印象に残っている話がある。
木の幹に産み付けられる害虫の卵は、だいたい直径5ミリの塊で、その一つの塊に50個の卵が並んでいる。その卵の塊から10センチくらい離れたところに別の卵が二個産んである。これが害虫を食べるてんとう虫の卵。害虫が孵化するのを益虫が待っているということ。ところが、害虫は、まず半分が先に孵化する。そして、それらが1センチ位の大きさに育った頃、残りの半分が孵化する。てんとう虫はそのタイミングで孵化する。てんとう虫は、後から孵った半分の害虫を食べて育つ。
これにはびっくりした。
自分たちが生き延びたければ、全部が先に孵化すればいいではないか。
自然界は弱肉強食、生き延びるのは競争であれば、なるべく食べられないようにするのが、進化なのではないだろうか。これではまるで、食べられるために生まれてきたようなものだ。
でも、進化の結果がこうだということは、弱肉強食ということが進化だと思っていること自体が、ちょいと違っているのかもしれない。自然界では一番強いものが一人勝ち、ではなく、皆が持ちつ持たれつで、一緒に生存、繁栄しているということが、進化したということではないだろうか。
確かに、強いものが残るのであれば、もっと、生き物の種類は少ないはずだ。でも、ウチの畑にいる虫だけだって、相当の種類がいる。それに鳥、両生類と考えていくと、もっともっと沢山だ。
江戸時代は、同じ町内では、銭湯がお互いに時間をずらして営業していたらしい。
自由な競争というのは、はたして進化なのだろうか。

2016-02-22 | Posted in ブログ, 自然No Comments » 

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