散歩の時ふと


三味線を始めようと思った、その理由は皆さん色々だ。日常的にある楽器ではないので、何かのきっかけで出会ったりもする。かくいう私も、三味線に出会ったのは、偶然だ。
こんな風に三味線を始めました、というあるお弟子さんの話。

ジャズのサックスを趣味で習っていたんです。ライブに通ったり、ライブハウスで演奏したりと、結構のめり込んでいたんですよ。でも、ある日、ふと思ったんです。「ジャズをやっているけど、本当は、背伸びして、無理してるんじゃないか?」と。そしたら、「もうジャズはいいや」となってしまって、ではどうする、と。その時、頭に浮かんだのが三味線だったんです。地元の商店街を歩いている時でした。「そうだ、三味線だ!」と。その足で、三味線屋さんに行きました。とにかく、まず楽器を手に入れるんだと。でも、三味線屋さんって、なんだか敷居が高いですよね。がらって、入ったら、「なんだろう、この人は?」って感じで見られて、「三味線ください」って言っても、「へ?」という感じでした。「長唄ですか?太棹ですか?」って言われたってわかりませんよ。「ええっと、三味線がやりたいんですけど」と言ったら、「まあ、たぶんこれかな」と細棹の三味線を売ってくれました。
楽器を手に入れてからが、大変でした。次は、習いに行く場所だ!と、ここはどう?と教えてもらったところへ何箇所も行ったんですが、なんだかお金がかかりそうだったり、堅苦しそうだったり、なんとなくここだというところが無くて、最後に、ここならと紹介されたところに行ったら、「今日から母は入院します」と言われ。さすがにその時は、がっくりしました。もう三味線とは縁がないんだ、と教室を探すのを諦め、2年くらいは、三味線はただのインテリアでした。
でも、諦めきれずに、事あるごとに、「どこかに三味線を教えてくれるとこはないかな」、と聞いていたんですよ。その内、とある店で、「ここで今度ライブやるけど、聞きに来る?」と言われて、出会ったのが、朝川師匠でした。今度こそ、と思って、ライブの後に、「教えてください!」とお願いしました。三味線を始めるまでは、時間がかかりましたが、今は、とっても楽しくやっています。ついに三味線もインテリアから楽器になりました!

2016-02-11 | Posted in ブログ, 朝川会No Comments » 

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