土の微生物


ノーベル賞をもらった大村智先生は、伊東のゴルフ場の土の微生物から、新しい薬を作ったという。「土」、と一言で言っても、色々な土があるとは思っていたが、そこにしかない微生物があるとは驚きだった。
たしかに土という物質があるのではなく、いろんなものの集まったのが、土なんだろう。
そこにしかいない微生物というのもいるのだ。なるほど。
東京から新潟に帰って、最寄りのJRの無人駅に降り立つと、ただよう匂いに、「ああ帰ってきた!」といつも思う。それは、土の匂い、草の匂い、なんだかそんな感じだが、なぜ、この駅に降りるとそう思うのかなと思っていた。
それはもしかしたら、私の集落の微生物なんじゃないか?などと妄想してしまう。
だって、同じような田んぼと里山という環境は、新潟ではいたるところにあるのに、この駅に降りると、ああ、この空気と思ってしまうのだから。
味噌も、自分の家が一番美味しいというのは、家についている菌がそれぞれ違うからと言っていた。私はいまだに、子供の頃に食べたウチのお味噌が一番美味しかったと思っている。味噌樽はとっくに捨ててしまったので、あの味はたぶんもう再現できないのかもしれない。残念だ。
自分の家の畑の野菜は、よく洗って食べるが、少し位の土は食べているかもしれない。もしうちの畑にしかいない微生物がいるとすれば、それはうちの畑特有の食べ物ということになる。同じ釜の飯ならぬ、同じ土の野菜で、同じ微生物を食べ、親近感がわくこともあるかもしれない。家族の団結力が増えるかもしれない。
鮭が、間違いなく自分の生まれた川に帰るのも、川特有の何かがあるのだろう。
なんだかすごい気がしてきた。
身土不二とはそういうことかいな。

2015-10-25 | Posted in つれづれ, ブログNo Comments » 

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