スーパームーン

昨日、新潟は日中秋晴れだったが、夕方から雲が広がった。今日は月が見られないのかな、と思っていたが、9時頃から雲が切れ、美しい満月が見えてきた。
家族を誘って庭に出てみる。
漆黒の空に白い月。明るい。自分の影が、くっきりと庭に伸びている。
「影踏みができそうだね」母に声をかける。
影踏みなんて、今時もう誰もやらないかもしれないが、「ほらほら」と母の影を、庭を歩きながら踏んでみる。
庭を見ると不思議だ。草花の花の色まで、わかる。顔の表情だって、もちろんわかる。以前、部分日食の時に、昼なのに薄暗がりになり、色彩が薄れたような明るいような、不思議な光景だと思ったが、それにちょっと近い。
盆踊りは15日。昔は太陰暦だったから、満月の日にやったのだ。
このくらい明るかったら、お互いの顔もよく見えるし、夜通し踊っても問題ない。
江戸時代は、太陰暦だった。明治になってから、太陽暦に替わった。替わってからも、農業従事者からは、太陰暦が必要との声が強く、しばらく並行して使用されていたと聞いたことがある。その理由を私はよく分かっていなかった。
たまたまある雑誌で、その理由が分かった。植物は月の満ち欠けに従って育っているのだそうだ。たとえば、タネは、月の引力や月光の強弱に影響を受け、満月までにタネをまくと、発芽にもその後の成長にも良いそうだ。月の満ち欠けで変化する植物の水分量に合わせて、苗を植える時期とか収穫の時期なども決めていたのだそうだ。
そんなこと、全然知らなかった。
なんだか、すごく大事なことを忘れているのだなと思った。
きっと私たちは、こういうことを捨ててきたのだ。
野菜は、土と太陽と水が作ると思っていたが、土と太陽と月と水が作るんだ。
満月の光が土の中のタネに差し込む、そして、芽吹く。
タネの目覚めは、朝ではなく夜なのだ。

2015-09-29 | Posted in つれづれ, ブログNo Comments » 

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