山盛りの山

先日、久しぶりに温泉旅行に行った。新潟の魚沼市の山のひなびた温泉である。
最初は、街中を観光をしていて、緑が濃くなってきている田んぼや、広々と流れる川を見て楽しんでいた。
さあ、宿へということで、山へと向かう。
小さな町や集落を抜けながら、川沿いに進む。だんだんせまってくる山々。たくさんの種類の広葉樹が、盛り上がるように枝葉を広げ重なっている。こんなにもたくさんの緑という色があったのか。夏に向けてもりもりと重なっている木々たちの、成長するエネルギーに圧倒された。宿のまわりも、一面にいろんな草花が生えている。もちろん植えたものではない。大きな葉に大きな花を咲かせているもの、ひっそりと草の中で薄紫の小さな花を咲かせているもの、これでもかと尖った葉を広げて茂っているもの。どこもかしこも、生きるエネルギーでいっぱいだ。
夕食は、山菜や野菜が中心。どれもおいしい。ふと思う。
毎日、畑や庭の草取りをしているけど、山は草取りなんかしない。それでも、あんなにぐんぐんいろんなものが育っている。この山菜も肥料をやったり、草取りしたり、人間がお世話をしたわけではない。
なんだか不思議だ。毎日、畑や庭の草取りをしたり、水をやったりして、自然と仲良くやっていたつもりだったが、あれは、自然と人間が接触している領域での、ほんの小さなかたちで、実は自然そのものは、自分たちで、こんなにも力強く、生きているんだなあ。
その力に、山でまさに圧倒された。
いやまて、人間だって、私だって、自然の一部だよね。これは、自分と身体の関係にもいえるのかもしれない。
私は、自分の身体に対して、草取りや、肥料をやりすぎていたりしないだろうか?私の体は、畑じゃなくて、山、みたいにしなくちゃいけないのかもしれない。
もしかしたら、これは、社会にも言えるかもしれない。
自分のまわりで、雑草を抜いたり、虫を殺したり、肥料をやったりしすぎていないだろうか。
翌日はロープーウェイで山へ。雲の隙間からちらりと田んぼが見えた。

2016-06-17 | Posted in ブログ, 自然Comments Closed 

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