すいっちょん

秋雨前線が停滞し、毎日毎日、雨模様だ。
こんな天候なので、稲刈りが終わらない田んぼが、まだ結構ある。せっかくここまで順調に育ってきたのにと、気が気ではない。やはり自然には勝てない。
食卓に飾る花を探して庭を歩いていたら、バサバサッと音がして、何かが葉っぱの間に隠れた。
「すいっちょんだ!」思わず覗き込むと、さらにごそごそ木の奥へもぐりこむ。
反対側から覗こうと思ったら、バサバサバサッと大きな音を立てて、庭の向こうへ飛んでいった。
「大きなすいっちょんだったなあ。ところで、あれは小さい頃からすいっちょんと呼んでいるけど、本当はなんて名前の虫なんだろう」などと考えながら庭を歩いていたら、いた!
ツツジの木に、すいっちょんが留まっている。隠れおおせたつもりなのか、すまして身じろぎもしない。
もう一度そばへ行こうか?と思ったが、これ以上驚かすとかわいそうなので、遠くから写真を取るだけにした。

アップは、こんな感じ。

小供の頃から、虫が好きだった。前より少なくなったとはいえ、今でも、ちょっと庭や畑を歩くと、面白い形や、こんな綺麗な色や柄!と見とれる虫がまだまだ多い。
虫を、いじめたことはほとんどない。虫を見ると、前世は親や兄弟だったかもしれないと思ってしまうからだ。そう思うと、とても他人?とは思えず、話しかけたりしていた。
「虫めずる姫君」というお話が、「堤中納言物語」にあるが、姫君も同じようなことを言っていたのを知ってびっくりした。
前世があって、虫や鳥とも兄弟かもしれない、などということは、嘘かもしれない。でも、そう思うだけで、虫が単なる物から、親しい生き物同士に感じるのだから、嘘も方便とはこういうことなのかもしれない。
後で、図鑑を見たら、すいっちょんの本当の名前は、ウマオイだった。
「ウマオイ」、声に出して言ってみたが、なんだかのっぺりしていてピンとこない。
やはり私のかわいい友達は、すいっちょんの方がいいなあ。

2016-09-20 | Posted in ブログ, 自然Comments Closed 

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