祭りの夜

夜、お宮の階段の下で、蝉の幼虫が歩いていた。抜け殻しか見たことがなかったから、びっくり!ずっと昔からお宮で毎年起きている命の営み。すごい。

お祭りの後の打ち上げで、近所のおじいちゃんが、一生懸命にしゃべっていた。
「今年の祭りは、新しい試みがあって、良かった。祭りといったって、ただ、去年と同じように今年もやればいいってもんじゃない。もっと、良くなるように、少しでも工夫をすることだ。ただ、会場が暗かった。来年は、もっと明るくするといい。うまくいかないこともある。それも、皆、お互いに言わなきゃだめだ。うまくいかないことがあったっていいんだ。そしてな、それを、来年の担当に、必ず申し送りすることだ。そうすれば、また、来年の担当が、次の工夫を考える。いいか、ちゃんと、申し伝えるんだぞ。」
いつも元気のいいおじいちゃんだが、お酒が入って、もっと元気だ。言っていることも、本当に、もっともと頷いてしまった。
このおじいちゃんは、ずっと宮守をしていたのだそうだ。集落のことや、お宮のことを、いつも気にかけている。祭典委員長も、「こういう人がいてくれるのが、すごくありがたいんだよね」とニコニコしていた。
「文化」には、二つの異なった考え方が、存在するという。
伝統的社会では、「文化」は、「社会に伝えられる行動様式、技術、信念、制度、さらに一つの社会ないしはコミュニティを特徴づけるような人間の働きと思想によって生み出されたものすべてを含めて、一つの総体としてとらえたもの」を意味する。一方、近代社会においては、「文化」は、「知的ならびに芸術的な活動」、つまり芸術、文学、音楽、劇場を、意味している。
村祭りの運営は、間違いなく文化だ。お祭りの日の午前中は、お祭り担当地区総出で、藁を持ち寄ってお宮のしめ縄を作る。年配のおじいちゃんたちは、指導に熱が入るらしい。恥ずかしながら、お宮のしめ縄を、地元の人が総出で作っているなんて、最近まで知らなかった。じゃあ、どうしていると思ったんだと言われると、買ってくる、とか?と思ってしまう自分が情けない。
しめ縄づくりは力仕事なので、男性だけでやるらしいが、一度見てみたいものだ。自分の地域の文化だから。
おじいちゃんは、年は80を超えている。とっても元気に飲んでしゃべり、日にちが変わるころ帰っていった。来年もよろしくお願いします。

2018-08-01 | Posted in つれづれ, ブログComments Closed 

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