北条夫人

今年は小雪だと言っていたが、雪が多い。久しぶりに雪の多い冬だ。友人の家のおばあちゃんが、「かまきりが地面すれすれに卵を産んでいるから、今年は、超小雪だ」と言っていたのだが、みごとに外れた。カマキリ予報も、百発百中とはいかない。でも、時に晴れる日もある。そういう時の庭は、とてもきれいだ。

さて、「北条夫人」と聞くと、当然、北条家の奥様だと思うのではないだろうか。しかし、先日見たテレビでは、戦国時代の武田勝頼の妻のことであった。
番組は、「歴史秘話ヒストリア」。武田勝頼は、北条家と同盟を結び、北条家から妻を迎える。その後の話なのだが、番組中では何度も、勝頼の妻は「北条夫人」と呼ばれていた。
武田に嫁いだのに、なぜ「北条」と呼ばれるのか?それは、江戸時代までは、武士は夫婦別姓だったからだ。そういえば、源頼朝の奥方も、北条政子と授業では習った。
そして、明治になって戸籍制度ができてからも、夫婦は別姓だったのだそうだ。夫婦同姓になったのは、明治31年のことだというから、びっくりだ。
夫婦同姓は、明治政府がドイツに倣った制度なのだという。東アジア文化圏では、夫婦別姓が普通なのに、その文化を捨ててまで、ドイツに倣うとは、西洋化願望、それに時の政府にとって諸々のメリットがあったのであろうか。日本のまわりは、中国、韓国、台湾など、夫婦別姓が多い。台湾の知人も夫婦別姓で、子供たちは父親の姓をついでいる。台湾は、結婚をする時に、どちらの姓を選んでもよいそうだが、圧倒的に自分の姓をそのまま使っているという。彼女は、「自分の姓を捨てて、別の姓になるなんて、考えられない」と言っていた。
「夫婦同姓は、日本の古来からの伝統である」ようなイメージがあるが、ちょっと待てと思う。
「昔からそういうものだ」とか、「皆がそういっている」とか、そういう理由で納得させられそうになる場面はよくある。
そういう時は、「昔」とは「皆」とは、いつの?誰の?ことだろう、と、立ち止まって問い直すことが、大事ではないだろうか。

2016-02-04 | Posted in つれづれ, ブログNo Comments » 

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