よもぎつれづれ

暑くなるにつれ、どこもかしこも、土があるところは草でいっぱいだ。
近所の土手の道路脇には、よもぎが勢いよく広がっている。

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この草を、子供の時は「もちぐさ」と呼んでいた。笹団子に入れるからである。田植えが終わると、母の実家で家族総出で笹団子を作ったことを覚えている。よもぎを入れない白い笹団子もあった。
笹でもち米を包んで蒸す、ちまきも一緒に作った。食べるときはきな粉をつけて食べるのだが、これも大好きだ。
おばさんたちは、笹の葉をくるくるっと手の中で円すい形に重ね、もち米を入れて、三角形にまとめて菅できれいにしばっていた。これが美しくて素早い動作。子供心にその作業に見とれていた。
笹団子とちまきは、新潟県人のソウルフードだ。それを自分で作れないのは、淋しい。今度、作り方を習ってみたいと思う。
近所でお互いの家の笹団子をあげたりもらったりして、なになにさんの家のは、あんこの味がいいねえ、などと言って楽しみにしていた。
笹団子用のよもぎを摘んでいる姿もよく見た。線路も線路の脇は栄養がいいからよく育つなどと言っていた。(当時の汽車のトイレは穴だけだった)
春の最初はかわいいよもぎも、大きく育ってたけだけしいばかりになるのだ、天ぷらにもなるし、ありがたい野草だ。

このよもぎ、食べるばかりではなかったらしい。
もぐさの材料は、よもぎだ。母によると、子供の頃は、もぐさも自分の家で作っていたそうだ。夜になると、家族がお互いにお灸をすえたりして、昼の疲れをとっていたらしい。
なんだかいいなあ。
それにしても、食べて良し、薬にもなって、もぐさはすごい。そして、それらのものを、当たり前に自分で作って、使っていた昔の人たちって、すごいなあ。
もぐさの作り方って、まだ誰か知っているのだろうか。

2015-06-11 | Posted in ブログ, 昔の生活No Comments » 

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